葉酸

葉酸は食品では野菜や果物のグレープフルーツなどに含まれ、妊娠初期に摂取量を高める事が重要です。
葉酸の効果や副作用などを解説していますので、欠乏や過剰摂取を防いで元気な赤ちゃんを産みましょう。DHCやピジョンなどの人気の葉酸サプリ比較も掲載していますので参考にして下さい。
基礎的な知識
じつは、葉酸はビタミンCと同じく、ビタミンの一種なのです。
もともとは、サルの貧血を改善する栄養素として発見された為に、Monkey(モンキー)の頭文字をとって、ビタミンMと呼ばれていました。
その後、ホウレンソウなどの野菜の葉部に多く含まれる事がわかり、「葉酸」と呼ばれるようになったのです。
野菜などの食べ物から、葉酸を摂取する方法。
妊娠時に必要な葉酸の摂取量は約400マイクログラムです。
この量を、野菜や果物などの食べ物で、摂りたい場合にどれぐらい必要か表にまとめておきました。
ただし、葉酸は水や熱に弱い為に、調理をすることで含有量が半分程度になる場合もあります。又、グレープフルーツはジュースにすると葉酸が減ります。
野菜嫌いの方や、つわりで食欲がない場合などは、葉酸サプリメントなどで補うのが効果的です。
ほうれん草 | 7束 |
---|---|
ブロッコリー | 8房 |
チンゲン菜 | 9束 |
マンゴー | 3個 |
グレープフルーツ | 1.5個 |
過剰摂取について
葉酸は、多く摂取しすぎた分は尿や汗などから排出される為に、とても安全性が高いのが特徴です。
だからといって、必要以上に過剰摂取するのは問題がありますので、1日1,000マイクログラム以上を摂ることは避けましょう。
葉酸はビタミンB群の仲間です。
より、葉酸を詳しく知るには、ビタミンB群の説明は避けれませんので、少し触れます。 ビタミンB群とは、葉酸を含んだ以下の8種類の栄養素グループの総称です。
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ナイアシン
- パントテン酸
- ビタミンB6
- ビオチン
- 葉酸
- ビタミンB12
昔は、分析技術が低かった為に、上記の物は全て1つの栄養素と考えられていました。 しかし、その後研究が進み複数の栄養素で構成されている事がわかりました。
これらの栄養素は、それぞれが助け合いながら働いています。 その為、「葉酸」だけを摂るより、全てのビタミンB群をバランスよく摂ることが必要です。
葉酸の効能を詳しく解説します。
最近、葉酸は妊娠時に必要な栄養素との認識が強いと思いますが、他にも様々な効果を発揮してくれています。
つまり、妊娠したから必要な栄養素ということでなく、普段から重要な栄養素ということになるのです。
その一例をいくつか記載しておきます、ただしくどいようですが、葉酸だけを摂取するのではなく、全てのビタミンB群をバランスよく摂取するように心がけて下さい。
葉酸は、神経管閉鎖障害の予防をします。
神経管閉鎖障害は、赤ちゃんの中枢神経系の元(神経管)が上手く作れない症状です。
このうち、神経管の下部に問題があると、「二分脊椎」と呼ばれ、歩けなくなったり、膀胱や直腸が機能しなくなる事があります。
又、神経管の上部で問題が起きると脳が上手く作られず、「無脳症」とよばれ流産や死産の割合が高くなります。これらの、症状は積極的な葉酸の摂取で、70%近くも発症のリスクを低減できると言われています。
貧血の予防を、葉酸が助けます。
貧血といえば、「鉄分」が必要と思われる方が多いと思いますが、実は赤血球を作る為には、「葉酸」と「ビタミン12」が必要不可欠なのです。
葉酸が不足すると、赤血球の生成が上手く行かないばかりか、酸素を運ぶ力が劣った悪い赤血球が生まれてしまい、貧血を起こします。
ちなみに、葉酸やビタミンB12不足からくる貧血は、悪性貧血と呼ばれています。
葉酸は、動脈硬化を予防をします。
葉酸が不足すると、ホモシステインという物質が増えます。
このホモシステインがいくつかのプロセスを踏み、血管を狭くしたり、硬化させる為に、動脈硬化を招き、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすのです。
ホモシステインの発生を抑えるには、葉酸に加えて、ビタミンB6とビタミンB12が必要ですので、ここでもやはりビタミンB群の全体的な摂取の必要性が見えてきます。
葉酸は、細胞の生成を助けます。
新しい細胞を作る時の設計図となるのが、DNAです。
このDNAの生成を助けたり、活性酸素の影響なので「正しく作れなかったDNAを修復する役目を葉酸が担っています。
その為に、葉酸が不足すると細胞の入れ替わりの激しい粘膜に影響が出ます。
たとえば、口内炎や潰瘍が出来やすくなったりします。
その他の妊娠中に必要な栄養素。
妊娠中は、葉酸はもちろんの事、カルシウムも積極的な摂取が必要です。
赤ちゃんは、胎盤を通して母親からカルシウムをもらい骨や歯を作ります。
母体からお赤ちゃんに、1日150mgのカルシウムが移行するので、しっかり補給しましょう。
もう一つ欠かせないのが、DHAです。
近年の研究では、母親がDHAをしっかり摂取していると、胎児の出生体重の増加や、早産の回避などの効果があるようです。又、聡明な脳の発育には欠かせない栄養素でもあります。
妊娠中だけでなく、授乳中もしっかりとDHAを摂取して、賢い脳を作ってあげて下さい。
葉酸の日が制定されました。
学術研究者達が発起人となって立ち上がった「葉酸と母子の健康を考える会」は、知識向上や、摂取を促すために葉酸の日を設定しました。
日付は4月3日で、4(よう)3(さん)の語呂合わせで作られています。
胎児の先天障害リスクの軽減を図るため、妊娠中の女性はもちろんですが、日ごろから積極的に摂取することを呼びかける試みがあるそうです。
葉酸は母子の健康だけでなく、貧血防止や細胞の生成を助ける働きもありますので、今後ますます注目を浴びるビタミンとなると思います。